「わたしを離さないで」５話 ロストコーナーへ

最近更新をサボっていたアオトです。

何が理由ってわけではないけれど、なんとなくブログを書き始めると「更新しないといけない」という強迫観念らしきものが芽生えてきてそれが締め付けるのです。だから軽く抗ってみました。抗ってみたものの、「抗う」というより「サボる」ということばの方がぴったりでした。感想。

というわけで表題へ。「わたしを離さないで」もいよいよ５話。連ドラ折り返し地点ですね。放送開始から５週。時間が経つにつれ、原作がうろ覚えになってきているのでややつらい。

今回、恭子たち提供者が「コピー」ということばを用いて「クローン」であることが明らかになりましたね。うん、たぶんこれちゃんとしとかないと。見たかコノヤロー映画版。

そして、クローンのOriginは「ルーツ」と訳されています。小説版の日本語訳は「可能性（ポシブル）」。原作の表記がわからないので、どれがぴったりかはわからないけれど、「もしか」なんて訳よりはよっぽどわかりやすい。なんだ、「もしか」って。日本人舐めてんのか。見たかコノヤロー映画版。

そこだけ本当に心配だったので、ほっと胸をなでおろしました。そして、美和のルーツを探しに車で先輩たちと出掛けるシーン。恭子たち陽光卒園者は他校出身の先輩カップルにファミリーレストランで「猶予」の噂の真相を迫られます。で、またこじらせガールの美和が「その噂聞いたことあります！」とらんらんルンルンで無責任にも同調してしまいます。

ここ、原作は「知らない」と答えて、５人全員お通夜みたいになるんです。でも、「yes」と答えたことによって完全に分岐しましたね。でもこれは、２話で既に美恵子先生が龍子先生に対して、「我が学園の子どもたちは特別な猶予がある」と伝えています。あの、生徒２人の脱走事件の後に。そのときも、そして今回も、全貌は明らかになりませんでしたが、何やら提供者のなかではその「猶予」が”良い風”に曲解されて吹聴されている気がします。まあ噂なんてそんなもんだけど、これは物語にも大きく影響しそうです。

そして待望の「のぞみヶ崎」、ロストコーナーの登場。やったあ。見たかコノヤ……はい、そこまで。

原作ではあそこまで荒廃していなかったような気もするけど、森下さん理想と現実の差をはっきり映像で示したかったんでしょうね。

なくしたブリッジウォーターのCDを探す場面はなかば狂気じみていて、トモが強行突破すぎてロマンチックが足りなかった気もするけれど、大友康平が古着屋の店長っていう設定になんか笑ってしまいました。そして、彼は「君たちにもらってるものに比べたらこんなもん」といって、CDを無償で譲ってくれるのです。

原作は、２人でどちらが先にCDを見つけるかを競争します。結局、キャシー（恭子）が先に見つけてしまうのですが、本心はトミー（トモ）が先に見つけることを期待していました。むしろトミーに見つけてもらいたかった。そうすれば、トミーとの距離が縮まる、なんて淡い恋心が描写されていて、そこが大好きなシーンなんだけど、ドラマ版もまあいいでしょう。なんって大友康平だから（笑）。

そして、最後の車でコテージで戻るシーン。わお。手ぇつないじゃったよ。チームスーパーアグリがバックミラー越しにめっちゃ見てるよ、気づいてご両人。あ、これただ言いたかっただけです。

今回の話で気になったのは、「ルーツ」と「クローン」の関係ですかね。

「ルーツ」がDNAを提供する意図。たとえば慈善心で行った人もいたでしょう。または、描写されていた通り金のため。はたまた、自分の肉体を永続的に保たせるため。これはSFとして好きな路線。

というか、実際にクローン生成が成功したらまずは「臓器提供」目的にやはり使われるのでしょうか。それとも一人間として、対等に扱われるのでしょうか。正直前者でしょうね。人間（Origin）って、そこまで綺麗な生き物でもないでしょ。私利私欲の権化ですから。そもそもクローン開発自体、欲の塊じゃないかと思うわけです。そしてアオトはこんなことを宣ってるあいだにも、当たり前のようにどこかの山奥で研究が続いていると恐れているのですが…。

そうそう、今日ニュースで人工知能「ワトソン」が人間の脳に限りなく近いスペックで開発に成功したかなんかのニュースを見ました。いよいよSFがSFとして語られなくなる時代が来そうですね。いや、正直怖いし、そうなったら人間の労働者なんて本当にいらないしロボットと人間が「卵が先か、鶏が先か」ぐらいの立ち位置になる日も遠くないのです。あーおそろしや。

そんな2016年に「ブレードランナー２」の製作発表はいささか遅すぎたんじゃないかと。いや、楽しみだけどさ。不安しかないよね。

ってわけで脱線しまくりましたが、本日「わたしを離さないで」６話、楽しみです。