アオトのコゴト

ここは文字に臆病になった僕が通う診療所

しゃっちょさんのスピーチ

こんばんは、アオトです。

先週は知人の突然の訃報。通夜と葬儀のお手伝い。甥と姪のベビーシッター。大学の結婚式出席など、会社を辞めてから一番慌ただしい一週間だった。

そして、今日も甥と姪の面倒を午前中みた。「怪獣」と周りから称される二人だけどまあかわいいもんだ。よその子と比べても比較的おとなしい3歳児と1歳幼児は、「おかあさんといっしょ」と「アンパンマン」と大好きなポイフルがあればなんでも言うことを聞いてくれるし、ママがいなくて泣き喚いたりもしない。幸い、ぼくもなんとなく好かれているようで(もしくは興味がないのか…笑)、5時間の長丁場だったけれど問題なくすごした。ただぼくはまだ子供がいないので、たった5時間を「長丁場」と感じてしまう。親というものは、計り知れない労力を日々費やしているんだなと感服した。

ちなみに「おかあさんといっしょ」のお姉さんが何年かぶりに変わるってニュースをやほーで見たときは、世界で一番関係ないニュースとばかり思っていたけど、その無縁の番組をがっつり見ることになるとは、なんとも皮肉な話。ただ甥っ子は「なあなあ、お姉さん変わってんで。この人新しい人やねんで」と目をきらきらさせて説明してくれた。

いや、眩しすぎるよ。キュン死にするわ!

 

とそんな感じだったので、なかなかブログ更新できてなくてモヤモヤしてたけど、やっと落ち着いた。めでたしめでたし。

 

今日はその中であるひとつの出来事をピックアップしたい。

それは、後輩の結婚披露宴でのこと。歳はぼくよりひとつ上だけど、学年はひとつ下の新郎がぼくの後輩にあたるんだけど、その彼の現職の社長である人が挨拶をした。

青地に白のストライプが入ったスーツに、茶の皮革のとんがった靴。肌は春先にもかかわらず真っ黒で、顔はごつごつしており、短く反り上がった髪の毛の頭頂部に塗ったジェルが会場の眩しすぎる証明を反射して光る、といった風貌。

もう見るからに仲良くなれない。相入れたくない人相の某社長。

 

まあでも「人は見かけによらず」というじゃないかアオトよ。話をまずは聞こうじゃないか。と自分に言い聞かせて耳を傾ける。

 

どうやらその人は家庭問題を抱える児童やいじめに悩む子供たちを助ける活動を行っている会社を経営しているらしい。NPOっぽいのかな? よくわかんないけど、内容は終始自慢。

「こう見えても社長やってます」、とか別にいらないから。

「昨日も新郎くんと児童相談所に行ってひとりの子供を救ってきました」

すごく良いことをしているはずなのになぜかそれがすんなり入ってこない。

それはきっとしゃっちょさんの風貌のせい。見た目と活動内容がリンクしない。

生活に余裕がある感じも見受けるし、いや別に支援活動団体がお金ないって決めつけはよくないけれど、それにしてもハデすぎやしないか。

で、きわめつけが新郎との出会いが飲み屋ってエピソードで。おいおい、まあいいけど。別にいいんだけど、もうちょっとクリーンなイメージのほうがいいんでないかい? と疑問符ばかりが頭の中をぐるぐる。

 

そんな晴れない気持ちのまま、しゃっちょさんの話は終わり、乾杯へ。

次に出てきたのは新郎の知人のWeb関係の会社を経営している社長。40代。

これもまた黒い。サーファーか? そしてグレーのスーツに赤ネクタイ。その人が座っていた席の会社の部下と思しき面々は、ロン毛、シャツ出し、ヒョウ柄のもふもふの靴、ベルトからはチェーン、と結婚式場よりコンビニ駐車場前のほうがしっくりくる方々。

挨拶も、結婚式を取り持った牧師(黒人の方)を揶揄するとこからはじまり、「◯◯年に起業して、こんだけの売り上げがあります」とか。

いやだから自慢いらんから。普通に祝え。

 

でもぼくの考えがお子ちゃまなだけで、彼らにとって見知らぬ人間が多く集う場=ビジネスチャンスのある場所、なのかもしれない。でもなんか嫌だ。いいじゃんか、普通に新郎のエピソードだけで。ってまた出会ったの飲み屋かい!笑

 

偉そうな口をたたいているかもしれない。ぼくも決して結婚式や披露宴に多く出席しているわけではないけど、そのふたりの挨拶は本当に軽薄で軽率で、どれほど立派でも華々しい功績をもった人物であっても好感がもてなかった。また、今まで多くの苦労の末築いた地位であったとしても、祝辞を述べる場には適していない内容、言葉遣いだったことはまちがいない。

 

それ以外は素晴らしい挙式だっただけに、彼らの存在が悔やまれた。

ぼくがもし、だれかにスピーチや乾杯の音頭を頼まれたとしたら、あのしゃっちょさん2人を反面教師として臨む。そう決意をさせてくれたことにだけ、感謝する。