デッドプールはMAVEL&DC至上、一番地球に優しい人でした。
昨日、話題の「デッドプール」を友人Oに誘われて観てきた。
予告では「クソ無責任ヒーロー」というキャッチだけど、彼はヒーローじゃない。劇中で本人も何度も公言している。彼は自分を貶めた奴らへの復讐のために悪い子をこらしめているだけ。純粋な復讐者であって、ヒーローではない。ちょっと不死身になっちゃっただけなのだ。
作品自体は、構成とカメラワークが新鮮でとってもおもしろかった。ヒーローものだけど、主人公のデッドプール自身がブラックジョークをバンバン放り込みながらめちゃくちゃ喋る。それがテンポの良さに繋がっているので全然飽きない。ただ、同MARVELシリーズの「X-MEN」ネタや、ハリウッドスターの揶揄とかが多いので知らない人は置いてきぼりにされる。でもデッドプールは悪くない。悪いのは鑑賞者です。
あとは、戦闘シーンが見応えがあったかな。これ、ヒーロー映画の醍醐味なんだけど、特殊な能力(目からビームがドーン! 雷ドッカーン!!)みたいなことができないおかげで、基本ジャパニーズソードと銃のみでの戦闘。そのシンプルさが、個人的にはすごくよかった。
また、映画を通して思ったことはタイトルにもあるけど「デッドプールってめっちゃ地球に優しい人だわ」ってこと。
思い出してほしい。ヒーローってすぐ市街のど真ん中でガッツリ戦闘おっぱじめるから平気で民間人巻き込むでしょ。「マンオブスティール」なんかが特にそうで(これはDCだけど)、宇宙人ひとりと闘うのにビルを何棟破壊したか。何人の無関係な人が死んだかわかったもんじゃない。お前も地球から出ていけよ! って誰だって思うでしょ。
他のヒーローもだいたいそう。最終決戦でバンバン街壊して、やっとこさ敵倒して「ふーっ。おつかれ!」ってドヤ顔されても「は?」ってなる。
その点デッドプールは無駄な殺生はしないし、最終決戦の場も廃工場と、すごく健全。それもある種のメタだったのかな、と思うけどとにかく地球の地盤ひっくり返すようなことはしていない。この「傍若無人な暴れっぷりに隠れた優しいところ」に勝手にニヤニヤしながら映画を観終えた。
あとは、マブカプファンとしてはデッドプールがX-MENに参加、じゃなくて”乱入”してくれることを心より楽しみにしています。クソ真面目に闘ってる面々の横で、鑑賞者にその模様を実況してるシーンとか観てみたいなー。次回作の制作費もきっと潤沢だろうし、今後もデッドプールに期待。
最後に、主人公デッドプールがマスクで覆うことになった、焼けただれた顔面を見てぼくは「スポーン(SPAWN)」を思い出した。同じくアメコミ原作の1997年に映画化された作品なんだけど、あれめっちゃおもしろかったんだよなあ。なによりかっこいいし、ノーラン監督でリメイクとかやってほしーよなー。