アオトのコゴト

ここは文字に臆病になった僕が通う診療所

「わたしを離さないで」6話 鮮血のジャンヌ

おはようございます、アオトです。

 

明日、奥さんが1級建築士試験の模擬テスト(確かそう。でもぼくが「確か」という場合はだいたい違う。でも建築士に纏わる予行テストに間違いないはず)のため、今日は有給をとって自宅で勉強するという。というわけで、久しぶりに平日の日中帯にふたりだ。いいよね、なんか。ただいつものように、ぼくがお昼に「わたしを離さないで」を観ながら感想をブログに書くと勉強の邪魔になってしまうので、寝ている間にささっと書く。すでに1回観てるから大丈夫だとは思うけど。

 

今回も美和氏のクソっぷりは健在。ここまでくるとあっぱれです。もしかすると6話では美和に同情し、恭子を非難する人も多いかもしれない。「この泥棒猫が!」というセリフが美和にとってはぴったりの状況なのは確かだし。でも惑わされてはいけない。美和は徹頭徹尾の悪女。完璧な魔女だから。

例えば、強い女が時折見せる涙に同情する。それはわかる。キュンキュンする。勝気な女性の上司が酔っ払って弱音吐くとか、男性陣なら誰でも遭遇したい状況でしょう。でも美和は強い女でもなんでもなくて、恐ろしく"弱い女"なのだ。

他人より優位に立つ、他人を出し抜く、他人に自分を見てもらいたい。結局、人の中にいる"自分"をより美しく、ダイヤモンドのようにキラキラさせたいだけなのだ。それを客観的に眺めて愉悦に浸りたいだけ。それだけ。

このドラマで美和という女性を見ていると、2016年に入ってからの多すぎる不倫、浮気報道の真相も実は怪しいもんだと思ってしまう。不倫は良くないと思うけど、誰が正しいかなんて、パネル見てあーだこーだ言ってるコメンテーターの話だけでは何もわからないのです。

というか、この女性像をあまりにも丁寧に描く森下さんの近くには、お手本になる女性、あるいは過去に女性に振り回された体験があったような気がしてならない。ディティールがすっげー細かいんだもん。逆に、美和みたいな女性って世の中にいっぱいいるんかもね。

 

その美和の横暴さに真っ先に気づいていた真実、死んじゃったね。

真実役の中井ノエミさんって、角度によってすっごい美人だったりそうでもなかったりする。ハリウッド女優の誰かにも同じような人がいたな……。そうそう、キーラ・ナイトレイ。キーラも角度によってすごく映えるし、また正面から抜きすぎるとイマイチな感じなんだよな。「パイレーツ」シリーズでずっと感じてたことだ。それを中井ノエミさんを見て思い出した。あ、ちなみに褒めてますからね。

 

「どうか、何も考えないように造ってください。自分の命を、自分の命と思いもしないように」

真実は、十字架に架けられたイエス・キリストが「エリ・エリ・レマ・サバクタニ

と叫んだように、こう告げてこの世を去った。予告からなんとなく想像していたシーンだったけど、中井ノエミさんの飛沫する唾もお構いなしの熱演にただただ拍手を贈りたい。

 

それに恭子の「もういい。もういいよ」。このたった二言に込められた多くの意味。それに伴う重厚感。それをあっさりと表現する綾瀬はるかはやっぱりすごい。