アオトのコゴト

ここは文字に臆病になった僕が通う診療所

三谷幸喜作品はやっぱり「ミタニーランド」だった

こんばんは、アオトです。

GWも終盤に差し掛かって憂鬱な気分には……まあぼくはならないんだけど。というか、どこ行っても人が多いから早く終わって欲しいくらい。

もちろん、うちの奥さんも連休中。だけど7月にある建築士の試験に向けて朝から晩まで学校通い。この努力、実れよ。実ってくれ。

 

そんななか、休憩がてらに三谷幸喜監督の「清洲会議」を今更観る。ぼくは正直三谷作品は苦手。そして「清洲会議」でもその苦手意識は払拭できなかった。とりたてて言えば、今までエンドロールまで瞼が開いていた作品が一本もない勝率の低いなか、初めて観破した作品になった。ぐらい。

 

ぼくは以前から、三谷作品が「ディズニーランド」みたい。と思っている。

ディズニーランドってさ、ぼくも2回しか行ったことないから言えた口じゃないけど、

ひとつの場所で大多数の人間が同じものを共有してて、それでいてハッピー。って感が拭えないでしょ。いや、みんなそれを求めてるんだけど。春に行こうが夏に行こうがクリスマスに行こうが、ある一定のクオリティを入園者に提供し続けてきた世界。そしてなにより、ファンの期待を裏切らない。

 

それと一緒で良くも悪くも三谷作品には、「大ハズレ」がない。常にファンやメディアを納得させるある一定のレベルで作品を発表している。確かにこれって並大抵のことじゃないと思う。凡人には無理。やはり喜劇に愛された男、であることは間違いないのだけれど。でもあくまでそれは、「完成度」の部分だけの話だ。

 

ぼくは正直、それらの作品群に「ワンダー」がないと感じてしまう。意外性とかそういうの。映画監督が同じでも作品よって評価が分かれる。それって当たり前だと思うのね。あのノーランだって作品ごとに「あーおもろかった。さすがノーラン」っていうものや「おい、どうした。ずっと40度の高熱と戦いながら撮ったのか」って思うやつもあるわけで。でもそれは常にチャレンジをしているからで、別に一本ぐらいつまらないくらいで嫌いにはなったりしない。

でも三谷作品は違う。みんなが口を揃えて賞賛する。「さすが三谷。ブラボー」と拍手喝采。ぼくはそういう現象が苦手。気持ち悪い。それがぼくに「夢の国」だと思わせている一番の原因かな。

いや、三谷さんは悪くない。悪いのはきっと斜めにしかものが見れないぼくと、メディアの宣伝の仕方なのだけど。

 

といった具合に恐ろしく三谷作品を楽しめていないぼく。でも三谷さんにはいつまでも喜劇と向き合い続けて欲しいという願いと(観るとは言ってない)、一度がっちがちのサスペンスやホラーにも挑戦して欲しいなという期待(これは楽しみ)、両方の思いが渦巻いている。